父と採るぜんまい

父は、山菜を採りに行くのが趣味だ。私もよく付き合うのだが、北海道の野山に自然と繁殖している山菜は、本当に沢山ある。北海道は海だけではない。山も、とても豊かだ。ふき、みつば、こごみ、ギョウジャニンニク。そして、ぜんまい。きょうはぜんまいを採りにきた。ぜんまいの見分け方を父に教わりながら採って行く。最初、山菜はどれがどれだか解らなかったが、父が教えてくれる事により、自然と覚えていった。山は、親子のコミュニケーションをも教えてくれる。山菜は、マナーとして根こそぎ採らない。来年の為に、何より、愛する自然を守る為に、恵みを頂きながらも、最低限のマナーは守りたい。里地里山、という言葉が在る。人間は自然にとって、ただ邪魔な存在ではない。人間が畑を耕す事によって、タガメやゲンゴロウも繁殖に成功するのだ。昔から在るべき、人と自然の関係。あり方。それは至極当然の事である。今日もりっぱなぜんまいが沢山取れた。ごみは拾って帰る。そう、たとえ我々の物でなくても、だ。ぜんまいのおひたし、それからごまあえが、うちの母親の得意料理だ。おひたしは自然のぜんまいの味を損なわずに楽しむ事が出来るし、ごまあえは、何と言ってもそのごまの香り。その香りが、ぜんまいの味をより豊かな物へと昇華させてくれるのだ。きっと、北海道民は、日本一の幸せ者の集まりに違いない。不景気、と騒ぐが、落ち着いて周りを見渡せば、食費を全てまかなえてしまえる程、手の届く範囲に、海の幸、山の幸はある。そして、それらは親子の潤滑油にもなるのだ。

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